TOP > 競走馬 > 海外GⅠ初制覇。じゃじゃ馬娘・シーキングザパール
競走馬

海外GⅠ初制覇。じゃじゃ馬娘・シーキングザパール


1997年のNHKマイルカップ馬・シーキングザパール。実力はすさまじいが、逸走したりとはじめは安定感のない馬だった。しかし一戦ごとに競馬を覚え、牡馬を差し置いてNHKマイルカップを制覇。また、日本調教馬で初めての海外G1勝利。そんなシーキングザパールについてまとめてみた。
馬キュレ

生まれはアメリカ。1997年に小倉競馬場でデビュー

inyofu 父はドバイミレニアムの父であり、競走馬としてはブライアンズタイムやフォーティナイナーの同期に当たるSeeking the Gold、母は後に輸入されたページプルーフ、母父はシアトルスルーというコッテコテのアメリカ血統の外国馬である。 近親にダンシングブレーヴの父にして一流の競走馬にして大種牡馬Lyphardがいるため、芝への対応力があると見込まれたのか、アメリカでのセリで主取りになったのち、庭先取引で輸入され日本にやって来ることになった。
inyofu 1996年7月20日、小倉開催の新馬戦でデビュー。従前から調教での走りが栗東で評判となっており、単勝オッズ1.2倍の1番人気に支持されると、スタート直後先頭から、2着に7馬身差を付けて初勝利を挙げた。

逸走や失速・・・難しい馬

inyofu 続く中山開催の新潟3歳ステークスではシンコウスプレンダに次ぐ2番人気の支持を受けたが、スタート直後に外側へ大きく逃避したことが影響して後方からのレース運びとなり、直線で追い込むも3着と敗れた。騎乗していた武豊は逸走の原因が分からなかったといい、「ちょっと普通のいいコではないなと」感じたという。
inyofu  ところがデイリー杯3歳Sでは、メジロブライトを5馬身突き放す強い勝ちかたで重賞初制覇を果たし、かと思えば断然人気に推された阪神3歳牝馬Sでは、直線で伸びを欠いてメジロドーベルに完敗の4着。鞍上・武豊騎手を常にヒヤヒヤとさせるほど、乗りかたの難しい馬として知られていった。

明け3歳、安定した強さを見せる

inyofu  シンザン記念では、4コーナーからマクって出るという強引な戦法で2着に3馬身差をつける圧勝。フラワーCでは、これまでになかった差し脚を繰り出して重賞2連覇。ニュージーランドTでは、直線一気の凄まじい切れ味で3連勝をマーク。外国産馬のためクラシックへの出走権はなかったが、同世代の桜花賞馬キョウエイマーチ、同2着のメジロドーベルよりも素質は上と見られるようになっていったのである。

G1・NHKマイルカップ制覇!

inyofu 当時、外国産馬にはクラシック競走への出走が認められていなかったため、外国産馬にも門戸を開いた前年新設のGI競走・NHKマイルカップ(5月11日)を春の目標に据えた。
inyofu もう1頭の有力候補であった外国産馬スピードワールドが捻挫のため出走を回避し、当日は前年の3歳王者・マイネルマックス等を抑え1番人気の支持を受けた。レースは前半600mを35秒0というスローペースの中、6-7番手を進むと、最後の直線半ばで先頭に立ち、2着ブレーブテンダーに1馬身3/4差を付けて優勝、GI制覇を果たした。

日本調教馬で、海外G1初制覇!

その後は、喉頭蓋エントラップメントというのどの病気になったり、高松宮記念4着、安田記念10着と4歳シーズンはなかなか調子が良くなかったが、夏にはフランスへ渡り海外のG1へ挑戦。
inyofu  そして翌年、5歳になったシーキングザパールは日本競馬史に残る"1番"獲得の野望を胸に海を越えた。ターゲットはフランスのドーヴィル競馬場で行われるG1・モーリス・ド・ゲスト賞。長い輸送時間や環境の変化など懸念材料は多々あったが、当のシーキングザパールはタフそのもので、日本にいる時と何ら変わることなく順調に調教をこなした。こうして迎えた大一番、彼女は眩いばかりの光輝を放つ。絶好のスタートから先行するとそのスピードは最後まで衰えを見せず、コースレコードで堂々とゴールして、日本のホースマンにとって悲願だった海外GI制覇を果たしたのであった。この快挙は日本のみならずフランスやイギリスでも大きく報道され、東洋から来たヒロインの名は一躍、世界中に轟き渡ったのである。


その後は今までのような輝かしい結果は残せなかったが、アメリカで繁殖に。ストームキャットとの間に生まれたシーキングザダイヤは、日本で競走馬となり、重賞5勝。また、G1で2着9回と活躍。GI競走で9回の2着を記録した。ニュージーランドトロフィーを母子制覇した。そんなシーキングザパールは、当時繋養されていたレーンズエンドファームで落雷によって生涯に幕を閉じだ。11歳という若さで亡くなったのは残念である。彼女のような個性のある名牝は、これからも人々の心に残るだろう。

side-mark ページ上部へ
prev top next
  • 【PR】
  • 関連タグ
    kusa_line