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コラム

「覆面馬主の真実」【第14話】~リアルタイム進行型・競馬狂小説~

馬キュレ
「お札ってのは、無類の寂しがり屋で、沢山あるところに行きたがるんだよな。寒々とした懐には、絶対に集まってこない。」
名言だな。確かにその通りだな。お金持ちのところにはお金が更に集まり、貧乏な方のところにはお金は寄っていかない。悲しいかな、それが現実だ。

しかし、馬の世界ではちょっと勝手が違う。世界で最も高額と言われる「セレクトセール」では、7号が書いてる通り、1億を超える値段で競り落とされる馬がぽんぽん出てくるのだが、その結末を調べていくとお金持ちが有利な訳では決してない。超高額馬がレースに行って走るかというと、そう上手くはいかないどころか、悲惨な結末が待っている場合も多い。
7号のコラム

自分の値段以上に稼ぐ馬の確率がもっとも高いとされる、競り購入馬の価格帯は、500万~999万円のレンジだという統計データもある。確かに馬代金がこれくらいなら、500万下で勝ち負け出来れば、リクープする。

馬主稼業というのは、ビジネスではなく道楽であり、商売でなく消費なのであろう。普通に血統が一見良さそうな高額馬を買っていると、瞬く間に大損してしまうのが当たり前の世界。高額=競争能力が高い!は、ほぼ当てはまらないし、馬体が良い=競争能力が高い!も微妙だ。馬主で当たりを引くのって難しいよな~!今なら、馬じゃなくて銀行株買った方がいいに決まってるよな~。そんな事をつらつら考えていたら、4号がオレの会社の部屋にやってきた。

4号「師匠、師匠、一人100万円、全員分、吾輩が集めてきました。ここに600万ありますので、あとは、師匠の分100万出してください。」
1号「え!え!あれ、ホントにやるの?」
4号「はあ?何言ってんすか?今更。みんな怒りますよ。」
1号「だっておまえ、2歳戦なんて何が走るかぶっちゃけ分からないんじゃねえのか?あの時は、ノリで、未来のG1馬と、一生未勝利の馬が走るんだから、簡単に当たるだろ、みたいなこと言ったけど、それがすぐに分かったら苦労しねえだろが。」
4号「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待ってお兄さん、ってラッスンゴレライみたいになっちまいましたが、ダメですよ、もうやるって決めたんだから。」
1号「う~ん・・700万あるんだったら、マジで銀行株買った方がいいんじゃねえか?」
4号「は?株?何言ってんすか?競りまでに10倍にするんでしょ。株じゃ10倍無理でしょ。」
1号「そりゃそうなんだけどさ、よし、分かった。みんながそこまで言うならやってみっか、2歳単勝勝負!」
4号「吾輩がウインズに買いに行きますから、ってか、ウインズで待機してますから、パドック見て、携帯に買い目と買う額を電話して下さい。師匠、ホントにお願いしますよ。」
1号「よし!気合い入れてやろう!」

驚いたのは、軍団の連中の妙な一体感である。7号なんて、柄にもなくビッグデータ分析みたいな事や牧場の下調べとかを徹底的にやって、夏競りで一番いい馬を見つけるぞ、なんて言い出してる。こうなってきたら、可哀想だが、セレクトセールは、5号の競り負けをみんなで楽しむ事にして、本番は、8月のサマーセールだな。今年は、8月24日からだから、今週末から勝負していくとして、中央競馬は、22開催日あるって事になる。その中で、2歳の新馬と未勝利の単勝だけで、50鞍以上はあるだろう。厳選して選んで、30勝10敗くらいに持ち込めれば、おそらく10倍にはなるだろうな。

オレの血統に知識と、馬体がきっちり見られる7号、データを駆使する3号と、調教が読める2号、厩舎に友人が多い4号と、そして、ダート戦なら6号の知恵を結集させれば、勝てる気がしてきたぞ!

よ~し!今週から、単勝勝負の夏が始まる・・・!
さあ、10倍にするぞ!


(続く)

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