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コラム

「覆面馬主の真実」【第15話】~リアルタイム進行型・競馬狂小説~

馬キュレ
「ちょっとちょっと、どうしてくれるんですか?この週末だけで、132万も凹んだんですけど。増やすどころか、有り金溶かす可能性の方が高くないすか?」

全員からこうした趣旨のメールやら、電話やら、ホントにうるさい。ま、2歳単勝を始めて、最初の週末は散々な結果になったのだから、それはしょうがないんだが・・・

ちょっと負けただけで、オレと7号に批判が殺到してる。

7号「この程度の負けで、ぐちゃぐちゃ言うな。だから、おまえ達は、博打弱いんだよ。なあ、そう思うだろ、アニキ。」
1号「まあ、とはいえ、大事な100万円をみんなから預かってるんだから、わめくのもしょうが無いだろ。」
7号「それにしても、あの8号の野郎は許せねえな。あんたら、歳くってるだけで、馬券下手なんじゃないすか?なんて言うんだぜ。」
1号「まあ、まだ始まったばかりだから勝負はこれからだって。ビシッと当てたらみんなの態度はころっと変わるさ。それが浮き世の常識ってもんだよ。」
7号「まあ、そうだよな。今週で、大体ツボは分かったから、来週キッチリ取り返してやろうぜ。で、さ、アニキ、今度の土日は、オレにやらせてもらえねえか?」
1号「ああ、いいよ。」
7号「ちょっとオレ、勝てそうな気がしてんだよ。オレの予感って、たいてい当たるからさ。任してもらえねえか?」
1号「ああ、分かった。全部張り流すのだけはやめてくれよ。」
7号「分かった。」

こんな会話がなされた日曜日の夜。場所は、赤坂の天ぷら屋。おどろいた事にこの日、札幌からかの有名な老馬主が東京に来ていて、7号もオレもメシに誘われたのだ。
老馬主と奥様は、最近食が細いらしく、出てくる天ぷらを一口食べたら、隣の7号に渡す。当然7号は、ありがとうございます!とパクり。良かった、隣じゃなくて。それにしても7号、相当喰わされてるな。可哀想に、ダイエットやってるのに、こんなに天ぷら食っちゃって、台無しだな。
それにしても、ここの天ぷらちょっと微妙だよな。会計済まして、外へ出るなり・・・

老馬主「おいおい、何だ今の店、あれ、天ぷらじゃないぞ、なあ、1号君。」
1号「はあ、確かに今ひとつでしたね。」
7号「あれは、天ぷらっていうより、フリッターって感じですかね。」
老馬主「ん?フリッター?って何?」
7号「とにかく衣が厚いってことです。」
老馬主「そうそう、天ぷらも馬も衣が薄くないといかんな、はっはっはっはっは。」
一同、首をかしげつつ、大爆笑。

老馬主「あ、そうだ、口直しにおいらの泊まってるホテルで何か食べようか?」
7号「ん?食べる?」
というわけで、一同お台場のホテルへ。ラウンジみたいなところへいくなり・・

老馬主「7号君、口直しに鉄板焼きとか行く?」
7号の目が点になるのが見えた。なので、すかさず、
1号「あ、先輩、ここのホテルの鉄板焼きはちょっと微妙なんで止めた方がいいですよ。」
老馬主「あ、そう。じゃあ、中華とかないのかな?」
1号「ちゅ、ちゅ、ちゅうか?今から?」
老馬主「口直ししないと、ダメだよ。」
7号「あ、ここにも色々ありますよ、メニューが。ここで口直しがいいですよ。」

何とか、老馬主を説得し、シーザーサラダとチーズくらいでお茶を濁すことが出来た。そして、老馬主から意外な提案が・・・

老馬主「あのさ、1号君、7号君、君ら牧場買わんかね?安い出物があるんだよね。」
1号7号「ぼ、ぼ、牧場っすか・・?」

それは、かなり面白くてスリリングな話で、オレも7号もすっかり乗り気になってしまったのである。


(続く)

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