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意外なところに競馬由来?馬に関する単語・慣用句まとめ

日常で口にする単語の中には、思わぬところに由来があるものが(無視する意味の『シカト』は花札の十月由来、慌てる意味の『テンパる』は麻雀の聴牌由来、などなど)。 今回は「馬」「競馬」に関連する単語や慣用句をまとめてみました。
馬キュレ

【らちがあかない】【不埒】

なかなか物事が進展しない時に「このままではらちがあかない」と言ったりしますが、この『らち』は競馬のコースに必ずある、あの『外ラチ』『内ラチ』の『ラチ』と同じ。馬の放牧場の仕切りのような、あまり高さが無い柵全般を指します。
最近は『あかない』の方で使われることが多いですが、元々は「らちがあく=物事の決着がつく、進展する」という言葉が先。
平安時代から行われている伝統行事『加茂の競べ馬』を待ちわびた観客が、今で言うゲートのように使われていた「らちを早くあけろ」と言っていたのが由来、という説があります。
もう1つの説は奈良の春日大社の祭礼由来で、祝詞をあげている間は一般人が入れないようにラチ(柵)で囲いがされており、あげ終わって一般人を交えた祭りが始まる合図が『ラチがあく』ことだったというもの。
このラチを勝手に乗り越えて祝詞の最中に乱入するような、道徳心の無い不届き者のことを『不埒(らち)なヤツ』と言った、といわれています。

【デッドヒート】

競馬の直線で2頭だけが後続を引き離しつつ競り合うような展開や、マラソンなどの似たような場面を『デッドヒート』と言いますが、これは元々競馬由来。厳密に言えば現在は完全な誤用で使われています。
競馬黎明期の18世紀頃はフロック勝ちに厳しく、出走馬の中で間違いなく一番強い馬を『優勝馬』にするため、同じ馬が何度か勝つまで同じメンバーでレースを行い、勝ち負けが一瞬で判別できないほど接戦だった場合は同着扱いの『無効試合』。総距離1万キロを越すことも珍しくない状況下で確実な着差をつけて複数回勝った馬が優勝・・・・・という、今では考えられないほど過酷な『ヒート競走』という形式が主流でした。
この『ヒート競走』のうち同着となり、無効とされ、走った意味が無いくたびれ損のレースとなってしまったのが『デッド(dead=死)ヒート』。つまり本来の意味であれば「同着」「無効試合」「意味の無い試合」なのですが、現在では「激しい接戦」「死闘」という意味で使われるのが主流となっています。

【拍車をかける】

物事に勢いをつける意味ですが、これは乗馬用具『拍車』そのまま。鞍上が踵に付ける棘や歯車のような形状の馬具で、馬の腹をつついて刺激することで走らせるものです。 なお形状によっては馬の腹に傷が付いてしまうため、馬が可哀相という理由から競馬での使用は原則として禁止されていますが、本格的に禁止になったのはつい最近(中央競馬は2010年1月1日以降「裁決委員がやむを得ない事情があると認めた時」以外禁止、地方競馬は2011年4月1日以降原則全面禁止)のこと。
知る限りでは2009年12月19日に当時2歳のドンビザッツウェイという馬が未勝利勝ちを収めた時に「騎手に頼んで拍車を付けてもらった」(鞍上・内田博幸騎手)のが、中央では最後の拍車使用の勝利例だと思います。

【メノウ(アゲート)】

宝石・鉱石として有名なメノウ。赤メノウ(レッドアゲート)や縞メノウが特に有名で、オニキスやサードニクスなどもメノウの一種です。
このメノウを漢字で書くと『瑪瑙』となります。どことなく『馬』『脳』に見える字ですが、それもそのはず「石の形状が馬の脳に似ているため」この漢字が当てられたのだとか・・・・・。
馬の脳と言われてもなかなか想像がつきませんが、もし瑪瑙の原石を見たら「大体こんな感じか」と思うと良いんじゃないでしょうか。

【ダークホース】

様々な場面で『伏兵』『隠れた実力者』などを指す言葉として使われるこちらは、Horseと入っていることからも判るとおり、一応競馬が由来です。
敢えて「一応」としたのは、競馬は競馬でも現実のレースが由来ではない、というのが由来に対する現在の最有力説のため。イギリスの政治家であり、貴族であり、小説家でもあったベンジャミン・ディズレーリ氏が1831年に発表した小説『The Young Duke』の中に
「A dark horse which had never been thought of, and which the careless St. James had never even observed in the list, rushed past the grandstand in sweeping triumph.」
(馬柱にあったはずの名前すら見落としていたほど予想外だった『黒い馬』が、スタンド前を堂々と駆け抜けていった・・・・・というような意味)
という部分があり、小説発表の翌年あたりから新聞などでも『予想外の伏兵=ダークホース』と表現されることが増えていることから、現在ではこの「小説の中の競馬に出てくる馬」が初出だと考えられています。

【番外編:馬鹿】

「馬という時が使われる単語」としてはかなり有名な部類ですが、語源には諸説あり、元々の由来としては『サンスクリット語で無知を意味する「baka」「moha」に後から適当な漢字を当てたもの』というのが有力だとか。サンスクリット語を元にしているベンガル語圏の国(インドやバングラデシュ)で『バカ』と言うと、日本とほぼ同じ意味合いで相手に伝わるそうです。
別の由来として、中国の『史記』にある故事「鹿をさして馬となす(権力者が鹿を「馬だ」と言って他者に譲り、譲られた側は疑問に思って周りに聞くが、権力者を恐れた人々はどう見ても鹿なのに馬だと答えてしまう)」というものがありますが、中国語では鹿を「カ」と読まないため、仮にこれが語源だとすると『馬鹿(ばろく)』という発音で伝わっていないとおかしいとか・・・・・。
他にも「若者の『わ』が『ば』に変化した説」「浪費して破産した家の愚か者を『破家者』と言っていた説」などがありますが、いずれにしても馬自体、鹿自体とは無関係。
もし「馬と鹿の頭が悪いから『馬鹿』」のように覚えている人がいたら、完全な風評被害なので覚え直してあげて下さいね。

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