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コラム

覆面馬主【サスペンスの3号】日本ダービーの想い出

覆面馬主 サスペンスの3号

「日本ダービー殺人事件」

初出は1974年。西村京太郎著

この本を初めて手にとったのが、1986年のダービー前日。

その時アタイはまだ小学生。
もちろん競馬のケの字も知らない至って純情な乙女だったわ。

当時は何かにつけて長距離トラックの運転手をしていた祖父にくっついて回っていて、
その日も
仙台まで荷物を運搬するとかって話で、トラックの助手席に飛び乗ったのを覚えているわ。

まあちょっとした子どもがてらの冒険心よね。

でも、今思えばこの時、その冒険心が掻き立てられてなかったら、
競馬が好きになることも、ましてや推理小説にのめり込むアブナイ女になることはなかったかもしれない。


関東から仙台までは
北関東自動車道から東北自動車道を経由して、片道およそ7~8時間。

その道途中、何気なく助手席のグローブボックスをあけた時に、日ヤケしてしわくちゃに折り曲がってたこの本が出てきたのよね。

「じいちゃん、これ読んでいい?」

そんなことを聞くか聞かないかのうちにページを捲り始めたけど、

みるみるうちに話に引き込まれていくアタイがいたわ。


無敵の快進撃を続けるアイドルホース タマキホープ

今年の大本命 クラシック制覇間違いなし

そこに届く一通の脅迫状

「お前は汚い手段でタマキホープを手に入れた。ダービーを回避させろ。さもなくば大変なことがおこる」

でもって
八百長疑惑、

とあるホースマンの死、

馬主協会、さらには競馬界の闇が絡み

とてつもない事件に発展していくのよ。


ネタバレになっちゃうからここでこの先を話すわけには行かないけど
独特の競馬用語だったりはその都度祖父に教えてもらいながらも、ページを捲る手が止まらなかったわ。

仙台伊達政宗像近くの倉庫(当時)で積荷をおろしてその日はトラックの中で車中泊。

祖父は運転席の後ろの狭いスペースでイビキをかいて寝ている中、アタイは車内の薄暗い明かりを頼りに、今まで生きて来てこんなに夢中になったことはないくらいに文字の一文字一文字の虜になっていたわ。

気づけば倉庫には朝靄がかかっていて、餌を求めた鴉がカアカア、雀がチュンチュン鳴いていたのを覚えている。

今思えば、アタイの競馬人生の始まりを告げていたのかもしれないわね。


さて、その日はダービー当日
その帰路につく途中、

競馬場(たぶん新潟?府中だったかは記憶が定かでないけど)に立ち寄り

仕事から解放された祖父は赤ペンを手にああでもないこうでもないとスポーツ新聞とにらめっこ。

「お嬢や、もうすぐ大一番のダービーだ。どの馬がいい?」

そう問いかけられたアタイは馬柱を見渡し、1頭の馬に目が止まったわ。

タマモベイジュ。

24頭立ての12番人気。

ただ単に劇中のタマキホープと“タマ”繋がりってことだけで選んだんだけど
やっぱりアタイってその時から馬を選ぶセンスがあったみたいね。
この馬のこれまでの成績と乗り役はどうぞ皆さんでお調べになってみて。

まあ結果は
むこう欅のかなり手前からグイグイ上がっていったけど、直線は早々と脱落してブービー23着。
勝ったのは皐月賞2着から雪辱を果たしたウィナーズサークルという馬。

アタイにとっての初めてのダービーは訳のわからぬまま終わっちゃったわ。

どこか、怪物タマキホープが負けてしまったように思えて、不貞腐れてたけど、

「お嬢、何か勝って欲しいものあるか?」

祖父は満面の笑み(たぶん馬券を獲ったんでしょう)で問いかけてきたわ。

「ある、ある! タマキホープみたいな馬買って!」

「ハッハッハ!そりゃ流石に無理だなあ。 でもお前が大きくなって馬主になればタマキホープみたいな強い馬を持てるかもしれないな」

「いやだよ、殺人事件に巻き込まれたくないもん」

「まあまあ、そう言うな(笑)。いつか馬主になってじいちゃんを楽させてくれ」

「う…ウン、馬主になる」







このあとアタイが本格的に競馬にのめり込んでいくのはその数年後、ウイニングチケットやナリタブライアンのダービーを見始めてぐらいからなんだけど、それはまた別のお話。

ホントはそこからさらに時を経て一口馬主の世界に職業として関わることになって初めてのダービーの話をしようかと思ったんだけど、ダラダラ長くなっちゃうからやめとくわ。
またの機会にね。

祖父が生きているあいだに弱小ながらも馬主になった姿を見せることはできなかったけど、天国できっと喜んでいると思うわ。

まあ、そんなこんだで、これがアタイのダービーの思い出とともに
覆面馬主サスペンス3号誕生のきっかけとなった最初の出来事よ。

じゃあ、皆さんいいダービーを。

また週末、本編で会いましょ。バアイ(* ̄▽ ̄)ノ~~ マタネー♪



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