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完走=勝利!?世界のとんでもない障害レースまとめ

※動画には落馬シーンが多数含まれます。極力故障馬が少ない年のものを選んでいますが、苦手な方はくれぐれもご注意下さい。

日本の競馬は圧倒的に平地のレースが多く、馬券売り上げも上位は軒並み平地競走。ちなみに有馬記念は『世界で一番馬券が売れるレース』としてギネスブックに認定されています。

しかし競馬の本場・イギリスで馬券売り上げ最多を誇るのはダービーでもロイヤルアスコット開催でもなく、障害GIIIの『グランドナショナル』。欧州では障害戦の人気が高く、各地でグランドナショナルの前哨戦的な大レースが開催されていたり、障害戦専用の競馬場があったり・・・・・。趣向を凝らした障害競走には様々な特色があり、中には信じられないような障害を越えなければならないものも!

今回は特色豊かな『世界の障害レース』をまとめてみました!
馬キュレ

【ヴェルカパルドゥビツカ [velká pardubická]】(チェコ)

「厳しい障害戦」と言われた時に真っ先に思い浮かぶのがイギリスの『グランドナショナル』だと思いますが、各地で行われる「グランドナショナルの前哨戦的レース」の中には、本番より難しい障害がある(と言われている)ものも。

2010年(19頭中12頭完走)
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チェコのヴェルカパルドゥビツカもそんなレースの1つで、1馬身以上の幅の水濠(40秒付近)、飛び越えた後にかなり幅の広い空堀のある障害(1分付近)、どう見ても小山としか言いようがないバンケット(1分12秒付近)、大きな障害を飛び越えた直後に小さな障害がある二段構え(2分25秒付近)などなど、難易度の高い障害のオンパレード。特に飛越の高さと幅が必要な空堀付き障害と二段障害は、グランドナショナルより難しいとさえ言われているそうです。
「昔の貴族が馬に乗って狩りをする時に超えていた川や茂みなどを再現したコース」だそうですが、ところどころラチが無い公園のような部分もあり、コース誤認の失格も起きているとか。放馬した馬は無事に帰って来られるのでしょうか?

1993年(9頭中完走1頭)
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年によっては完走馬がたった1頭だったことも・・・・・(100年ほど前には完走馬ゼロの回もあったとか)。
ちなみに2010年、1993年とも大怪我を負った人馬はいなかったそうです。

【Stall Löwenherz Trophy】(ドイツ)

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まるでどこかの庭園のようですが、ドイツダービーを開催している競馬場に併設されている専用の障害コースです。
このレースの最大の見所は、2分45秒目あたりからの水濠障害・・・・・というより『湖障害』でしょうか。それまでの先行争いや障害飛越、展開などを一切無視して全馬が減速。一団になって湖に飛び込み、泳ぎ切った馬から普通にレースを再開しています。

【Alpine-Motorenöl】(ドイツ)

こちらのレースにも普通に『湖障害』がありました(2分20秒あたりから)。ダイナミックな湖渡りはドイツで大人気らしく、『Seejagdrennen(See=湖、jagdrennen=障害物競走)』というこの種類の競走を表す専用の単語もあるほどです。
なお今年も7月5日に開催されましたが、公式ページには「馬が湖を泳いで渡ります」と堂々と書かれていました。もし日本で開催するとしたら、京都競馬場の中心を泳ぐコース設定になるのでしょうか・・・・・?
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(※かなり揺れるので車酔いしやすい方は閲覧注意!)

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別のレースのものですが、『湖障害入り競走』の馬上カメラ映像も。
上の動画は2分33秒付近、下の動画は1分28秒付近から『競馬のレース中の映像』とはとても思えない光景が見られます。

【アイリッシュグランドナショナル [Irish Grand National]】(アイルランド)

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アイルランド最高峰の障害戦で、24個の障害を次々飛越していきます。『二段障害』や『湖障害』と比べると無難な印象ですが、3マイル5ハロン(約5834m)という長距離を走りつつ飛ぶとなると話が変わってきます。
なお上の動画は2005年のもの。勝ち馬ナンバーシックスヴァルヴァーディ(Numbersixvalverde)は、翌年のグランドナショナルを制しました。

【パリ大障害 [Chase de Paris]】(フランス)

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フランス障害界の最高峰となるのがこちらのレース。2分2秒目あたりのとんでもない幅の水濠障害(5m50cm!)、手前で踏み切らないと引っ掛かるミニ障害付きの大障害など、一筋縄ではいかない難関の連続となっています。

コース図解。直線コースの巨大水濠障害は平地開催時の邪魔になりそうですが心配ご無用、このオートゥイユ競馬場は『障害競走専用競馬場』です。
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【チェルトナムゴールドカップ [Cheltenham Gold Cup]】(イギリス)

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『イギリスの障害戦』というとグランドナショナルが有名ですが、純粋な各付けで言えばこちらが上。というのもイギリスの規定でハンデ戦はGIにできないため、障害戦最高額の賞金でもグランドナショナルはあくまでGIII。定量戦のチェルトナムゴールドカップはGIになっているわけです。
二段跳びや湖などの変わった障害は無く、それなりのスピードで次々飛越をこなしていく日本のレースと似た印象ですが、出走条件は十分に経験を積んだ5歳以上の馬のみ。5歳牡馬が約70キロ、6歳以上牡馬が約74.5キロ、牝馬が3キロ減という超酷量を背負って約5331mを走破するという、とんでもないスタミナが要求されるレースになっています。

【グランドナショナル [Grand National]】(イギリス)

世界的に最も有名で、最も過酷なレースと名高いグランドナショナル。距離は4マイル4ハロン(約7242m)、「踏み切り地点より着地地点の方が低い障害」「飛んだ後直角に曲がる障害」「コーナーを曲がりながら飛ぶ障害」などなど難易度の高い障害を計30回飛ぶという、常軌を逸したスタミナ勝負になっています。

2001年(完走4頭・うち落馬無しの完走2頭)
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「40頭中完走4頭」という衝撃的な結果となった2001年。正確に言うと落馬無しで完走できたのが2頭のみ、残り2頭は落馬後再騎乗(※)しての完走でした。
大混乱の元となったのは動画の2分15秒過ぎ。カラ馬が障害飛越を拒否し横走りした影響で後続が詰まり、ここでかなりの数が脱落してしまいました。その後も重馬場の影響でスタミナを削られた馬が、1頭、また1頭・・・・・と数を減らし、前半と後半では馬の数が違いすぎて別のレースのようになってしまっています(ちなみに競走を中止した馬は全馬無事だったそうです)。
なおこの年の反省を活かし、翌年からこの障害の外側に「飛越を拒否したカラ馬用の逃げ道」を作成。伝統のあるレースですが、事故が少しでも減るよう年々改善が重ねられています。

※落ちた騎手が自分の騎乗馬を捕まえ、他人の力を借りずに馬に乗り、落馬地点から再スタートすればレースを続行することが出来ます。実は日本でも出来るんですが、ほとんどは勝手に走っていってしまって再スタート地点に戻れないためまず見られません。
余談ですが武豊騎手はノーリーズンの菊花賞で再騎乗を狙ったそうで、落ちた直後にかなり頑張って走っていました。実際に再騎乗で完走した例だと2012年2月25日の阪神4R(障害未勝利戦)で、黒岩悠騎手鞍上のマーブルアローという馬が再騎乗後に完走しており、JRAの公式ページで一部始終のパトロールビデオが公開されています。 また1999年のダート1000m戦でブイクリッパーという馬がスタート直後に外に逃避し、騎乗していた高田潤騎手が落馬。再騎乗してレースを再開したところ向こう正面でまた落とされ、再騎乗、完走(3分00秒6)・・・・・という、非常に珍しい記録もあります。

2015年優勝馬の馬上カメラ(※かなり揺れるので車酔いしやすい方は閲覧注意!)

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なおこの年は故障馬が出て2週目のキャナルターン(24番目の障害)が迂回されているため、飛越回数が本来より1回少ない計29回になっています。


なおグランドナショナルには、過去に【日本馬】と【日本人騎手】が1度ずつ参戦しています。

【1966年】日本馬フジノオー参戦

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中山大障害を4度制した障害界の名馬でしたが、あまりの強さに事実上の締め出しを受けてしまい、出走できる場を求め欧州遠征を敢行したフジノオー。
完走は出来ませんでしたが、記録によると落馬ではなく『15番目の障害での飛越拒否』だったそうです。15番目は『ザ・チェア』という名前が付けられている、踏み切り地点に空壕+一番高い約157cmの障害という併せ技の超難関(動画の4分34秒付近)。4分21秒あたりに14番目の障害をどうにか越えている後方集団がいますので、状況的に恐らくこの中の1頭がフジノオーだと思われます。

【1995年】田中剛騎手(現調教師)参戦

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現役時は障害の名手、今はロゴタイプの調教師である田中剛氏は、現在のところ日本人唯一の『グランドナショナル参戦騎手』となっています。
騎乗していたのはアイルランドのザコミッティ(The Committee)という25番の馬でしたが、公式の記録によると第一障害で転倒、競走中止。30秒を過ぎたあたりにそれらしき人影が・・・・・。

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