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【2014年有馬記念】天才の手綱に導かれ、トーセンラーが最後のレースに挑む!

若駒の時から期待され、3歳時のクラシックは皆勤、4歳時にはローカルをどさまわり。5歳になってようやくGⅠを制覇し、GⅠ馬の仲間入りを果たしたトーセンラー。この馬も、今週のこの有馬記念でラストランと公表された。トーセンラーの現役生活についてまとめた。
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新馬戦、初重賞、高い素質と高まる期待

名前の由来はエジプトの太陽神。父は当時新種牡馬として多大なる注目を集めていたディープインパクトで、半兄に米GⅠ馬フラワーアレーを持つ血統。そんなトーセンラーは2010年11月7日の京都の新馬戦(芝1800m)でデビューを迎えた。
上がり3ハロン33秒8の末脚で勝利。重賞初挑戦となったきさらぎ賞でも、その末脚は冴えるばかりであった。
後の三冠馬オルフェーヴルやウインバリアシオンなど名だたる名馬たちを、最後の直線で一気に切り伏せた。
2歳時からこの素質を見せた若駒に対し、ファンの間からは「三冠馬の素質」「ディープインパクトの再来」との声まで上がっていた。

長きにわたるスランプ

クラシックの有望株だったトーセンラーだったが、皐月賞5着、ダービー11着に敗れ、最終戦となる菊花賞でも3着という結果に終わってしまった。そこから、トーセンラーの長きにわたるブランクが始まる。
https://www.youtube.com/watch?v=3k5qjM8Azo0
何としてもスランプから抜け出す足がかりとなる1勝が欲しいトーセンラー。新潟大賞典や七夕賞、小倉記念に新潟記念など、ローカル競馬場をどさまわりするも、良くて2着までであった。
一般的に競走馬として一番脂が乗ると言われている4歳時は未勝利で終わってしまう。

得意舞台の発見と、転向した末のGⅠ勝利

5歳になって出走した2013年京都記念で、トーセンラーは約2年ぶりとなる勝利を挙げた。そこから、「トーセンラー=京都に強い」という傾向が明らかになるのである。
https://www.youtube.com/watch?v=qjS6GPtypgY
この勝利は、新馬戦の時に手綱を取った武豊騎手が再び鞍上に戻ってきての初レースでもあった。
ここで欲しかった勝利を手にしたトーセンラーだったが、その後は天皇賞(春)2着、宝塚記念5着、京都大賞典3着と勝ち切れないレースが続く。そんな時に陣営が目をつけたレースがマイルCS。今まで中長距離レースでしか使われてこなかったトーセンラーにとって、マイルは初挑戦であり、陣営の賭けでもあった。
レースでは後方につけ、直線では外から一気にごぼう抜きしての勝利。きさらぎ賞のようなレース展開で、3歳時に言われた“ディープインパクトの再来”にふさわしいレースだった。ちなみに武豊騎手にとって、これがGⅠ100勝目という節目でもあり、見事にトーセンラーはその栄誉をプレゼント。また自身初距離でのGⅠ制覇は、トーセンラーの京都コースへの相性の良さを明らかにした。
inyofu 武豊騎手「すごく強かったですね。最後の直線にかけていたので道中は楽に行こうと。ごちゃついていたし、前には行かないで直線の入り口でまで待とうと。すごくいい形になった。手応えが抜群だったし、ゴーサインを出してからの反応がすごかった。この馬にあんな脚があったとはね。G1・100勝? 素直にうれしいです。まだまだだと思うし、もっと増やしていきたい」

気になる中山適性は?

前述のように、トーセンラーは“京都で走る馬”といった印象が強い。しかし、有馬記念が行われるのは関東は中山競馬場。トーセンラーの中山成績はどうなのだろうか?
実はこの馬、デビューから24戦のうち、中山コースは2回しか走っていないのである。
3歳時のセントライト記念はフェイトフルウォーの2着だったが、結局は3歳限定戦であり、正直参考にはしにくい。古馬になって、有馬記念と同距離での日経賞では10着と大敗している。日経賞の成績を見る限りでは中山は得意とは言えなさそうだが、いかんせんサンプルが少ないため、そういった意味では期待が持てないとも言い切れない。

ラストラン、近走不振、前年のマイルCS馬、武豊...

今年の有馬記念はジャスタウェイ、ジェンティルドンナなど引退を予定している出走予定馬が多い。しかしその中で、トーセンラーは2013年のマイルCSを勝って以降、勝ち星からは遠ざかっている。鞍上の武豊騎手は「あっと言わせたい」と語っているが、トーセンラーはもう“終わってしまった馬”なのだろうか…?
しかし、ここで気付くことはないだろうか? 「ラストラン」「近走不振」「前年のマイルCS馬」「武豊」と言われて、共通する馬がこの有馬記念を引退レースで勝っている。その馬の勝利は、“奇跡”とまで言われた。
そう、1990年有馬記念で引退の花道を飾ったオグリキャップだ。オグリも前年のマイルCSを制したが、近走不振で“終わった馬”と言われていた。そんなオグリを若き日の天才ジョッキー・武豊騎手が勝利へ導いたのである。
さらに、武豊騎手は有馬記念を今まで2勝(1990年オグリキャップ、2006年ディープインパクト)しているが、その2勝とも騎乗馬の引退レースであった。ゆえに、武豊騎手を鞍上に引退レースを迎えるトーセンラーも、一発があるかも知れない。
2歳の若駒のうちから周囲に期待され、3歳時のクラシックはすべて出走。4歳時には流れを変える1勝のためにローカルをどさまわりし、5歳になってようやくGⅠ馬として戴冠した。人気を裏切ることも多々あったが、特に大きなケガもなく、着順はどうであれ出走レースはすべてゴール板を駆け抜けている。戦績は4勝しかしてないが、そのどれもが内容の濃いレースであった。特に京都コースにおいてはすべて4着以内で、4-2-4-2と抜群の安定感を誇るクセ馬でもあった。
このような競走馬が、ここ数年でどれだけいたのだろうか?
いや、言うまでもない、トーセンラーただ1頭のみである。
そんな馬が、今週の有馬記念で引退する。有馬記念とはドラマの歴史である。このドラマの1ページにトーセンラーの引退レースが刻まれても良いのではないだろうか?必見である。

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