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覆面7号 連載コラム「祭りの痕」Vol.27「特別模範馬主」

馬キュレ

東京大賞典はダメだったが、大井の最終でしっかり逆転(笑)
ツイッターで、買い目を書いたが、その的中に対しての返信は「やっぱり崖っぷちに強いですね~」というもの。2016年も最後までジェットコースター馬券だった。

まぁ、明日も明後日も正月も競馬は行われている。
今年も、競馬に、競馬関係者に、感謝の一年だった。

さて、2016年の最後のコラム。
何を書くか迷ったが、これを書いておこうと思う。



------祭りの痕vol.27「特別模範馬主」-------

突然だが、俺は銀座や六本木のクラブで異常にモテる。

「おいおい7号、突然なにを自慢話ししてくれてんだよ・・・」と、思うかもしれないが事実である。

20代前半に会社を立ち上げ、今に至るこの道程で「自分ひとりの力で成し遂げたものは一つとしてない」。

つまり、この「銀座でモテる」という事実も、俺一人で成し遂げられたわけではない。


さかのぼる事20年前。
20代半ばで起業した俺は、調子に乗っていた。
金の使い方も分からず、若造が銀座で偉そうに飲んでいた。

そんなある日、まぁ、銀座でも有名な女に一目惚れしちまった事がある。
27の時だったかな。

その女に入れあげた俺は、毎日のように銀座に足を運ぶ。
その時だ、これまた、銀座のママとしては相当に有名な方から「7号ちゃん、ちょっといい?」と、店のクロークの裏側にある控え室に連れて行かれた。

え?なに?
ママ自ら、事務所に連れて行かれるって、どういうこと?

ビクビクしながら控え室に向かう途中、パチンコ攻略全盛期にブラボーキングダムやら平台のピンボールやらで、毎日10万円以上根こそぎ稼ぎまくっていた学生時代に、あまりにも派手に出しまくっていた事から上野のパチンコ屋で事務所に連れて行かれ、スゲー怖い人に脅された挙句、出入り禁止になった時の事を思い出していた。

マジか、銀座のクラブ、ヤバイぞ・・・。
そんな、表情を露骨に出していた俺にママは言った。

ママ「7号ちゃん、あなた、〇〇に惚れてるでしょ?」
7号「え?まぁ、そうですね・・・」
ママ「それなら、アナタ、今の飲み方じゃ絶対に口説けないわよ」
7号「え?そうなの?」
ママ「そうよ。アナタ、なんか分からないけど見所あると思うのよね。バブルも弾けたばかりで、銀座もお客さん減ってるけど、アナタみたいな若い客が、飲み方しっかり覚えてくれないと、それこそ、銀座がダメになっちゃうからね」
7号「え?なに?どういうこと?」
ママ「まぁ、7号ちゃん、アナタの飲み代、半額にしてあげるから、毎日ウチの店通いなさい」
7号「は?毎日?」
ママ「そうよ、毎日。私が、銀座での飲み方、徹底的に教えてあげるから、その上で、〇〇の事口説いてみなさい。あの子本当に人気有るから、ライバル半端じゃないわよ(笑)あなたも知ってる政治家や、起業家、スポーツ選手、みんな口説いてるわよ」
7号「え?そうなの?そりゃ、相当手ごわいね・・・」
ママ「じゃぁ、諦める?」
7号「いや、そういうわけじゃ・・・」
ママ「じゃぁ決まりね。席戻って良いわよ!」


そこから、約半年、本当に毎日通ったのだが、座って5万以上する銀座で、半額以下の飲み代で毎日飲ませてもらった。そして、どういうところに気をつけながら飲むのか?女の子がどんなストレスを溜めているのか?どんな立ち回りが「粋」なのか?徹底的に、教えてもらった。

最初の内は、意味が分からなかったが、おかしな立ち回りをしていると、5分後には「トイレに行くフリして裏に来なさい」とのメモがママから届く。

本当に色々教えてもらった。
半額以下とはいえ、毎日通えばそれなりに金もかかったが、ぶっちゃけ物凄くいい勉強になった。

遊び方の美学のようなものを教えてもらった。


話は変わるが、今年は2人の特別模範騎手が誕生する。
競馬のカリスマのコラムでも田原が取り上げているからそちらにも目を通してほしい。

さて、特別模範騎手賞といえば、藤田伸二元騎手が過去2度獲得している、とてつもない賞だ。
このコラムを読んでいる読者なら説明は不要だと思うが、年間通しての制裁点0は、なかなか出来るものではない。

「なかなかできるものではない」と言う点において、特別模範騎手という賞には重要なポイントが2つあると思っている。

一つはもちろん騎乗技術。
そして、もう一つは美学。

その特別模範騎手賞に今年は、戸崎圭太、川田将雅、2騎手が確定している。
しかも、戸崎騎手に関して言えば、リーディングを獲得しながら制裁0というのは、史上初の快挙だ。
川田に関しても、若いころは良く斜行をして騎乗停止を食らっていただけに、今年は思うところがあったのだろう。ダービー制覇と特別模範騎手としての栄誉は、ウイニングチケットで悲願のダービー制覇を成し遂げた年に特別模範騎手賞を獲得した柴田政人師を思い出させる。

フェアプレー賞の先人、藤田元騎手がよく言っていた。
人の命を危険に晒してまで勝ちたいなんて思わんし、まずは、そういう技術を磨いて初めて競馬に乗らなくちゃいけねーよな。その上での、凌ぎ合いだから、感動あるレースになるんだろ?それが、騎手としての最低限の努めでしょ。

非常に「基準の高い」発言であり、彼の「美学」である。
彼も、事あるごとに、後輩騎手にその重要性を伝えていたが、なかなか伝わらなかったのではないか?と思う。

しかし、彼が引退してから、2年後、遂に、2人同時の特別模範騎手賞に該当する騎手が生まれた。

戸崎騎手、川田騎手と言えば、一時期は制裁をよく食らう騎手でも有った。

そんな彼らが、この領域に到達した事で、何が変わっていくのか?
彼らがどのような騎乗の美学を形成していくのか?
そして、その背中を見て今の後輩たちがどのような美学を作っていくのか?

そこに大きな興味がある。

人が何かを成し遂げている時、一人で何かを成し遂げている事は無い。
様々な教えや、助け、時には人の行いを反面教師にして、何かを成し遂げる。
人は一人では生きられない。


今年、老馬主が倒れた。
俺の大恩人でもある。
ここ最近、老馬主のネタを書かなくなった事は気が付いている読者も多かったのではないかと思うが、敢えて書かなかった。

今も病床に臥している老馬主。
何度も、お見舞いに行ってはいるが病状は悪化する一方で良化の気配は微塵も見せない。

「アンタ仕事しちゃダメだ~」

が口癖だった老馬主。

最初のころは何を言ってるんだこのじーさんは・・・
と思っていたが、老馬主にとって仕事とは「作業」という事なのだろう。
「事に仕える」と書いて、仕事。

確かに、社長の俺が作業に終われてたんじゃ、本末転倒だ。
仕組みを作り、人を動かす事に頭を使いなさいという意味だったのだろう。

口は悪いが、粋で見栄っ張りな老馬主。
彼の美学に触れて、俺の中にもある種の美学が芽生えたのも事実だ。

そういう意味でも2016年は色々な事があった。
持ち馬は絶好調だったが、仕事は激動だった。
この年になれば、仲間が死んだり、病気になったり、色々な事がある。

そんな激動の中で、美学を曲げそうになった事もある。

大昔、こんな事を言っていた若者が、今の山口県辺りに居たらしいな。

「法を破ってしまったら、罪をつぐなえますが、美学を破ってしまったら、いったい誰につぐなえますか」

競馬には様々な美学が詰まっている。
欲と美学の狭間で、どのように立ち居振舞うか?

人は人の美学に惚れるのかもしれない。

だから、俺は、美学を貫いて、ぶっ倒れた老馬主に特別模範馬主賞を捧げたいと思う。



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